Simplicityは、SEO(検索エンジン最適化)を常に考えながら作成しています。
SEOに関しては独学ではあるものの、自分のサイトでも同テーマを使用しているため、アクセスが減らないようにと、Analyticsやウェブマスターツールとにらめっこしながら調整してきました。
そこで今回は、Simplicityが内部SEOのために行っていることについて、ここらへんで1回まとめておこうと思います。
テーマ側で行えることは限られていますが、その限られた中で、最大限パフォーマンスが上がるようにと盛り込んだものの紹介です。
WordPressテーマにできること
よく、コンテンツイズキングと言われるように、サイトにとってコンテンツが最も重要なのは間違いありません。自然と被リンクが得られるような良いコンテンツがないと、テーマ側でできることはほとんどありません。
例えるなら、コンテンツが料理だとしたら、テーマはたかだか皿です。
どんなに頑張って、良い皿を用意できたとしても、食べに行った先の料理が糞不味かったり、出されたものがご飯粒一粒だけだったりすると、大抵の人は食べてはくれないでしょう。ですので、なるべく評判となるような(被リンクを得られるような)良質のコンテンツを載せるのは大前提ではあります。
けれど、良い料理があったとしても皿が汚れていたり、欠けていたり、毒々しい色をしていたりしたら、せっかくの料理が台無しです。Simplicityは、できるだけ作った料理(コンテンツ)が引き立つような皿(テーマ)になるようにと自分なりに考えて作成したつもりです。
Simplicityが行う内部SEO施策
Simplicityが行っている内部SEO施策の主なものを挙げると、以下のようになります。
- 低品質を避けるためnoindexの使用
- 見出しタグの最適化
- リッチスニペットを用いたパンくずリストの使用
- HTML5バリデーションのエラーを避ける
- TIMEタグを用いて記事の更新時間を検索エンジンに伝える
- 画像などはできる限り圧縮して転送サイズを減らす
- ウェブマスターツールの構造化エラーを避ける
以下では、Simplicityが行っているこれらのSEO施策について詳しく説明したいと思います。
Googleの検索順位に影響を及ぼすと考えられるものについては、以下の記事がまとまっているのでチェックリストとしても有効です。
上記記事の中にある、テーマでなんとかできそうなものは、いくつか採用しました。
低品質ページのインデックス登録を避ける
Simplicityでは、Googleから低品質評価を避けるためにインデックス登録するページをnoindexを使用してより分けています。
noindexとは、「Googleにインデックス登録をしない」という意味です。
noindexを使うことにより、Simplicityがブログでインデックス登録をするのは、以下のページのみとなります。
- トップページ
- 投稿ページ
- 固定ページ
- カテゴリページのそれぞれ1ページ目のみ
上記のようなメインとなるページはインデックス登録されます。
逆に、以下のページはインデックス登録されません。
- トップページの2ページ目以降
- カテゴリページの2ページ目以降
- タグページ
- アーカイブページ
- 検索結果ページ
- 404ページ
上記のような「検索結果に表示され訪問者が訪れたとしても、すぐに帰ってしまうようなページ」はインデックス登録しないようにしてあります。
このようなページから訪問者が訪れても、まず読んでもらえることはなく、ページの滞在時間が下がるだけです。内容の薄いページが検索結果に表示されるとユーザーの利便性(ユーザビリティー)も下がります。
検索順位に影響を与える要因には以下のように書かれています。
137. デュエルタイム
Googleは滞在している時間、デュエルタイムに非常に注意を払います。ユーザがGoogle検索から訪問する時、あなたのページにどれくらい滞在しますか。これはロングクリック、ショートクリックとも呼ばれています。もしユーザがあなたのサイトに多くの時間を使うのであれば、それは品質のシグナルとして使われるかもしれません。
これは僕も完全にそう思います。「よく読み込まれるサイト」と「あまり読まれないサイト」、読者の立場からしても、どちらを読みたいかといえば、どう考えても前者です。
こういった考えから、Simplicityでは低品質となりそうなページはインデックス登録をしていません。
noindexの確認
ブラウザの拡張などから、noindex状態を確認できるものもありますので、興味のある方は確かめてみてください。
サイトのnoindex、nofollowを手軽にチェックできるChrome拡張&Firefoxアドオン
noindex設定のカスタマイズ
noindex設定を自由にカスタマイズできるように、header-seo.phpというテンプレートに切り分けて、設定を書き込んでいます。ですので、設定が合わなければ、好みの設定に簡単に書き換えられるようにもなっています。
※All in One SEO Packプラグインを使用している場合は、プラグインの設定通りにnoindexされるのでご注意ください。
参考
noindexについて詳しくは、以下に詳しく書かれています。
見出しタグの最適化
Simplicityでは、見出しが適切な構造になるように作成してあります。
この記事を書いた時点でSimplicityの、アウトライン構造は以下のようになっています。
トップページ
投稿ページ
カテゴリページなど
アウトラインの確認
Chrome拡張のHTML5 Outlinerや、WEBツールのHTML 5 Outlinerからアウトラインの状態を確認することができます。
もし、「ここはどうなのよ?」みたいなところがあったら教えていただけると幸いです。
注意点
ただし、投稿本文を記入するのは投稿者ですので、本文入力の仕方次第では、見出しの最適化が崩れることもあります。
なるべく、検索エンジンに高く評価してもらうH2見出しにするには、本文中の見出しは、H2から下がっていくように使用してください。詳しくは以下の記事などを参照してください。
リッチスニペットを用いたパンくずリスト
パンくずリストは、サイトの階層を構造を正確に検索エンジンに伝えます。
さらにリッチスニペットを使用して構造化マークアップすることで、より正確に伝わります。
参考 リッチ スニペット – パンくずリスト – ウェブマスター ツール ヘルプ
最初に紹介した検索順位に影響を与える要因にも、以下のように書かれています。
74. パンくずナビゲーション
パンくずはユーザーが、そして検索エンジンがサイトのどこにいるか知るのに役立つユーザフレンドリーなサイトのアーキテクチャのスタイルです。これはランクの要因であるかもしれないことをはっきりと示されています。
パンくずリストをきちっと設定することで、Googleの検索結果などに以下のように表示されます。
これにより、訪問者にも構造がわかりやすく表示され、検索から訪れるユーザーの利便性も上がります。
Simplicityでは、投稿ページ・カテゴリページ、固定ページ(要設定で有効化)などでパンくずリストが表示されます。
参考
詳しい説明や、具体的にどのようなことをしているかは、以下に詳しく書いてあります。
HTML5バリデーションのエラーを避ける
検索順位に影響を与える要因には、以下のような記述があります。
43. HTMLのエラー
W3C validationなどによるHTMLのエラーやいい加減なコーディングは質の低いサイトのサインになりえます。多くのSEOの人はこれは弱い品質のシグナルであると考えています。
これを読んで、Simplicityでは、デフォルト状態でW3CのHTML5バリデーションエラーが0になるように修正しました。エラーのない、HTMLにすることで、多少なりとも「品質が良いですよ」とシグナルを送れればと思います。
Simplicityデフォルト状態での「エントリー/固定ページ」のバリデーション結果は以下のようになっています。(1 warningと出ていますが、これがエラーも注意も一つもない状態です。)
一覧ページのバリデーション結果。
ただ、SimplicityではHTML5のバリデーションエラーが出ないというだけで、HTML5のタグを積極的に使っているわけではありません。(HTML5のタグを利用したからといって今のところ有利にはならないので)
あと、ウイジェットやプラグインの導入状態、投稿の内容をによっては、バリデーションエラーが出ることもあります。
Validationチェッカーはこちら。
記事の更新日時を検索エンジンに伝える
Simplicityでは、記事の更新日時を正確に検索エンジンに伝えるためにTIMEタグを利用しています。
更新日時を伝えると検索エンジンなどで以下のように日にちが表示されます。
このように表示されることで、「投稿が新しいかどうか」がわかり、検索ユーザーの利便性が多少なりとも上がります。基本的にユーザーの利便性の良いサイトを作れば、SEO評価は上がります。これが、どのくらい評価されるかはわからないですが。
参考
TIMEタグを利用する具体的な方法は以下に詳しく書いています。
画像はできる限り圧縮
Simplicityでは、テーマに使用する画像や写真などはできる限りサイズを圧縮してファイル転送サイズを減らし、少しでもページが早く表示されるようにしています。
検索順位に影響を与える要因にも以下のように書かれています。
20. HTMLによるページのロード時間
GoogleとBingの両方で、ページのロード時間を検索結果の順位要因として使います。検索エンジンのスパイダーがページのコードとファイルサイズに基づいてかなり正確にサイトのスピードを見積もることができます。
GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏も以下のように述べています。
もしサイトが本当に、本当に遅かったとしたら、ページのスピードをランキング要因に実際に使うと今までに言ってきた。したがって、それ以外のすべての条件が同じだったとしたら、確かにランキングが低くなることがある。
Simplicityでは、多少なりともページスピードが上がるように、のテーマで使用されるPNG画像はTinyPNG、JPEG画像はJPEG & PNG Image Compressionなどで圧縮しています。
参考
画像などの圧縮については、以下に詳しく書いています。
その他に、ブラウザキャッシュや、リソースを圧縮してSimplicity様より高速化する方法は、以下に書いています。
画像を最適化(ロスレス圧縮)の記事でも書いているのですが、投稿や固定ページ本文に使用する画像を圧縮するのに、EWWW Image Optimizerなどを使用すると、より効果が高まると思います。
構造化データエラー避ける
先に紹介した、リッチスニペット用いたパンくずリストも構造化データの一つです。Simplicityは、そのような構造化データの1つhentryに対応しています。
構造化データは、次のような意味を持っています。
構造化データとは?
構造化データとは、そのページの人物、記事、動画、レシピ、レビューなどのコンテンツを具体的に表すために行うHTMLのマークアップのことです。構造化データをマークアップすることでそのコンテンツの具体的な内容を検索エンジンに伝えることができ、リッチスニペットとして表示されるようになります。
WordPressは、hentryマークアップに対応したクラスを出力しますが、通常のままでは、ウェブマスターツールの「構造化データ」にエラーが出てしまいます。
ウェブマスター ツールの [構造化データ] ページには、Google がサイトで検出した構造化された情報が表示されます。また、リッチ スニペット(またはその他の検索機能)を表示できなくなる可能性があるページ マークアップのエラーに関する情報も提供されます。
Simplicityでは、これをhentryの仕様に従って書くことでエラーが出ないように修正しました。
(※エラーのピークがあるのは、僕が1度設定をミスったからです。現バージョンでは修正されています。)
ただ、構造化データのエラーが出ないからといって、今現在、検索順位に影響はほとんどないとされています。
けど、検索順位に影響を与える要因には一応、このように書かれています。
120. マイクロフォーマット
マイクロフォーマットの構造化マークアップをサポートしたページは、サポートしていないページに比べてランクが上になるかもしれません。
どちらが合っているかはGoogleにしかわかりません。しかし僕としては、ページ内容を検索エンジンに正確に伝え、ユーザーの利便性向上のためリッチスニペットを正確に記入しておくのは、良いことはあれ、悪いことはないと思っています。
※プラグインの使用状態・カスタマイザーからのカスタマイズでエラーが出ることはあります。Simplicityデフォルトの状態では、ウェブマスターツールで構造化エラーは出ないようになっていると思います。
参考
構造化データの修正方法は、以下で詳しく書いています。
まとめ
Simplicityでは、主にこのような内部SEO施策を行っています。
細かなものも含めると、他にもありますが、それはまたいずれ紹介できればと思います。
このような最適化を行ってはいますが、冒頭で述べた通り、所詮テーマは料理に対する”うつわ”でしかなく、コンテンツ(料理)の引き立て役でしかありません。ですので、Simplicityにしたからと言って必ず検索順位が上がるものではないと思います。
しかし、良いコンテンツが盛られている場合は、「おっ!料理もおいしいけど、皿が料理を引き立ててるね!」と訪問者にも検索アルゴリズムにも言ってもらえるようなテーマになればと思います。
このテーマが少しでもサイト運営者のお役に立てれば嬉しいです。
テーマ変更後の推移など
一応、僕が運営しているサイトでは、テーマ変更後も順調にアクセスは伸びています。
僕がテーマを作成するのに一番こだわった部分でもある「ページ/セッション」「平均セッション時間」「直帰率」の改善もすることができました。
Simplicity使用前6ヶ月半
テーマ変更後3ヶ月半
ここらへんは、かなりGoogle Analyticsとにらめっこしながらレイアウト変更しました。
ただ、ブログという性質上、後になればなるほど記事は溜まりアクセス数を押し上げたりするので、これがテーマのおかげかまではわかりません。けれど、テーマを変更したからといって悪影響はなかったと言えると思います。
※現在のテーマでサイト運営がうまくいっている場合は、変更してまで使用しないほうがいいと思います。何事もうまくいっている場合は、変更しないのが一番です。